親が“デイサービスに行きたくない”と言ったとき、どうすればいい?

親が“デイサービスに行きたくない”と言ったとき、どうすればいい?
25/4/22 3:00
「うちの親、絶対に行かないって言い張ってて…」
介護の相談を受けていて、最も多い悩みのひとつがこれです。 「デイサービス、いいと思うんだけど、本人がどうしても嫌がっていて…」
あなたも、そんな壁にぶつかっていませんか?
この記事では、親がデイサービスを拒否する背景や心理、それに対する現場で効果のあった“ちょっとした工夫”をご紹介します。 「無理やり」は逆効果。でも、「寄り添いながら導く」ことはできるんです。
【なぜ嫌がるのか?3つの主な理由】
理由①:自尊心の問題(“世話になる”ことへの抵抗)
「人様の世話になるような年寄りになりたくない」 「まだ自分のことは自分でできる」
高齢者にとって、“介護を受ける”ことは、自分の老いを認めることと 直結します。 だからこそ、気丈に振る舞い、「そんなところ行かない」と拒否するのです。
理由②:「施設=老人ホーム」だと思っている
「デイサービスって、入れられる場所でしょ?」
“施設”という言葉の印象が強く、「自由がなくなる」「戻れなくなる」といった誤解を抱いている方は多いです。
理由③:環境の変化への不安・怖さ
高齢になるほど、「いつもの習慣を変えること」に対する抵抗は強くなります。 知らない人、知らない場所、知らないスケジュール—— それらがすべて「ストレス」になるのです。
【どう対応する?“上手な導き方”5つの工夫】
①「見学」や「体験利用」から始める
まずは1日体験や見学からスタートして、雰囲気を知ってもらうのが効果的です。
「通う」ではなく、「ちょっと見に行ってみようか?」という言い方にするのがポイント。
② 説得より“共感”から入る
「行ったほうがいいよ」と言う前に、「行きたくないよね」と共感してあげましょう。 一度気持ちを受け止めることで、心のガードが少し緩みます。
③ 本人が“役割”を持てる視点を伝える
「あなたが行くと、他の人も元気になると思うよ」 「一緒に歌ったら皆が喜ぶかも」
高齢者は“してもらう”側より、“してあげられる”存在だと思えると前向きになります。
④ 小さな変化を褒める・安心させる
例えば「行けただけですごい」「あのスタッフさん、あなたの話よく聞いてくれてたね」など、肯定的なフィードバックを積み重ねましょう。
「ここなら安心して任せられる」と感じてもらうことで、通うことが“日常”になります。
⑤ ケアマネやスタッフからのアプローチを活用する
家族が言うと反発することでも、第三者から言われると素直に聞ける場合も。
プロの立場から「○○さんに合ってると思いますよ」と声をかけてもらうと、意外とすんなり受け入れる方もいます。
【実際にあった成功エピソード】
ある利用者さんは、最初「絶対に行かない」と言い張っていました。 でも、「見学だけなら」と娘さんと一緒に訪れ、スタッフに話しかけられたときの笑顔が、その娘さんにとっても驚きだったそうです。
体験利用を経て、今では週3回通い、「この日が楽しみなんだよ」と言ってくれるようになりました。
大事なのは、「その人の心の奥にある“不安”を先回りしてケアする」こと。
【まとめ】「気持ちに寄り添うこと」が、一番の近道
親がデイサービスを嫌がるとき、それは“ワガママ”ではなく、“不安”のサインです。
強く言えば言うほど、心は閉じていく。
でも、丁寧に寄り添い、選択肢を見せ、安心を積み重ねることで、少しずつ心は開かれます。
焦らず、責めず、寄り添って—— あなたとご家族にとって、最善の形が見つかりますように。
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