“食べたい”を支える介護──高齢者の食事ケアの工夫

“食べたい”を支える介護──高齢者の食事ケアの工夫
25/4/22 3:00
「最近、食が細くなってきて…」 「ムセが増えて、誤嚥が心配で…」
そんなお悩みを持つご家族は多く、実際に介護の現場でも「食事支援」は非常に重要なテーマです。
私たちのデイサービスでは、単に食事を“提供する”だけでなく、
「安全に、美味しく、楽しく“食べられる”こと」 を目指して、日々細やかな工夫を重ねています。
この記事では、高齢者の“食べる力”を支えるために、現場で行っている具体的な取り組みをご紹介します。
【1】“ムセない工夫”で「安心して食べる」
高齢になると、飲み込む力(嚥下機能)が低下し、 誤嚥による肺炎リスクが高まります。
当施設では:
一口の量をコントロールする食器の工夫
水分にはとろみをつけてムセを予防
食事前に“嚥下体操”を取り入れて飲み込みやすく
といった工夫を行い、 「怖がらずに、安心して食べられる」環境づくりをしています。
【2】“美味しい”と感じることで、食欲が戻る
人間は「味覚」だけでなく、
匂い
見た目(彩り)
食感
盛り付け といった“感覚の総合体験”で食事を楽しんでいます。
私たちは、見た目や香りに配慮し、
季節感のある献立
郷土料理や思い出の味 などを定期的に取り入れています。
「懐かしい香りに、自然と箸が伸びた」 そんな瞬間が、“食べたい”という気持ちを呼び起こしてくれます。
【3】「姿勢」と「環境」も味方にする
食事中の姿勢や周囲の環境は、
嚥下だけでなく“集中力・安心感”にも大きく影響します。
当施設では:
車いすでも、しっかり座位 が取れるよう個別にポジショニング
食事中は声掛けを控え、落ち着いた環境を維持
「ゆっくり」「急がせない」雰囲気づくり
を意識して、“安全+心地よさ”のある食事時間を提供しています。
【4】“自分で食べる”をあきらめない
できる限り、
「自分で食べられる工夫」 を続けていくことが、食事機能の維持と自尊心につながります。
たとえば:
握りやすい太めのスプーン
すべり止め付きの食器
一口サイズのカット
介助する場合も“手を添えるだけ”にとどめる
「一口でも自分で食べられた」 その成功体験が、明日の食欲を育ててくれます。
【まとめ】
“食べること”は、単なる栄養摂取ではありません。
それは、人生の楽しみであり、自立心の源であり、人とのつながりでもあります。
だからこそ、 「安全で、美味しく、誇りを持って食べられる時間」を支えることが、私たちの使命です。
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