top of page

“食べたい”を支える介護──高齢者の食事ケアの工夫




「最近、食が細くなってきて…」 「ムセが増えて、誤嚥が心配で…」

そんなお悩みを持つご家族は多く、実際に介護の現場でも「食事支援」は非常に重要なテーマです。

私たちのデイサービスでは、単に食事を“提供する”だけでなく、

「安全に、美味しく、楽しく“食べられる”こと」 を目指して、日々細やかな工夫を重ねています。

この記事では、高齢者の“食べる力”を支えるために、現場で行っている具体的な取り組みをご紹介します。



【1】“ムセない工夫”で「安心して食べる」


高齢になると、飲み込む力(嚥下機能)が低下し、 誤嚥による肺炎リスクが高まります。


当施設では:

  • 一口の量をコントロールする食器の工夫

  • 水分にはとろみをつけてムセを予防

  • 食事前に“嚥下体操”を取り入れて飲み込みやすく


といった工夫を行い、 「怖がらずに、安心して食べられる」環境づくりをしています。



【2】“美味しい”と感じることで、食欲が戻る



人間は「味覚」だけでなく、

  • 匂い

  • 見た目(彩り)

  • 食感

  • 盛り付け といった“感覚の総合体験”で食事を楽しんでいます。


私たちは、見た目や香りに配慮し、

  • 季節感のある献立

  • 郷土料理や思い出の味 などを定期的に取り入れています。


「懐かしい香りに、自然と箸が伸びた」 そんな瞬間が、“食べたい”という気持ちを呼び起こしてくれます。



【3】「姿勢」と「環境」も味方にする

食事中の姿勢や周囲の環境は、

嚥下だけでなく“集中力・安心感”にも大きく影響します。


当施設では:

  • 車いすでも、しっかり座位が取れるよう個別にポジショニング

  • 食事中は声掛けを控え、落ち着いた環境を維持

  • 「ゆっくり」「急がせない」雰囲気づくり

を意識して、“安全+心地よさ”のある食事時間を提供しています。


【4】“自分で食べる”をあきらめない



できる限り、

「自分で食べられる工夫」 を続けていくことが、食事機能の維持と自尊心につながります。


たとえば:

  • 握りやすい太めのスプーン

  • すべり止め付きの食器

  • 一口サイズのカット

  • 介助する場合も“手を添えるだけ”にとどめる


「一口でも自分で食べられた」 その成功体験が、明日の食欲を育ててくれます。

【まとめ】


“食べること”は、単なる栄養摂取ではありません。

それは、人生の楽しみであり、自立心の源であり、人とのつながりでもあります。

だからこそ、 「安全で、美味しく、誇りを持って食べられる時間」を支えることが、私たちの使命です。






Comentários


bottom of page